学長メッセージ

石居基夫学長 メッセージ

私たちは、助け合う存在として、このいのちを与えられています。生まれた時から生涯を終えるまで、私たちは誰も一人で生きられものではなく、誰かに助けられ生かされて、そしてそれぞれがまた誰かを助け、共に生きる者となるのです。
 
現代社会は、競争と格差の中で一人ひとりが孤立化していく傾向があります。互いに助け合うことが失われて、誰かを切り捨てていくような世界が広がっていて、皆が学歴や資格によってスペックを上げて、自分がその崖ぶちから滑り落ちないように必死になっているかのようです。
 
本当は、一人ひとりが助け合うこと、多様な人々が共に生きることがこの社会の中に確かに機能しなければなりません。そのためには、私たち自身が、いのちと尊厳を守り、共に生きるという基本的な人間理解と実践の力を養う必要があるのです。
 
ルーテル学院大学は、確かな共生社会を実現するため、「人間・いのち・世界」を深く学び、本来あるべき「助け合い、共に生きる」新しい自分と世界を創造していく、そういう大学でありたいと思っています。

学長室よりメッセージ

学長室より学生の皆様にメッセージをお送りします
6月22日(月)
紫陽花の花が、深く色をつけキャンパスに揺れています。
前期いっぱい遠隔授業と決まって二週間が過ぎました。当初はオンキャンパスで通常授業に移行する予定でスタートした遠隔授業でしたが、これが続くということになって、先生方もこれからの授業内容をどのようにするか、改めてお考えでいらっしゃると思います。シラバスも修正があるかもしれませんが、当初の到達目標に向けた授業にアクセルがかかることでしょう。様々な形での遠隔授業に、学生の皆さんが追いつくことの方が大変かもしれませんね。今までよりもメールで教員とのやりとりができて、助かっているという学生の声も聞こえていますから、どうぞ、積極的に担当の先生方への質問などをしていただき、ご自分の学びを確認してくださると良いと思います。できればネット環境を補強し、パソコンやプリンター等を確保されると、きっと学びを効果的に進められますね。

ただ、新入生の皆さんはまた一度もキャンパス生活のないままなので、大学4年間のスタートに不安を抱えていらっしゃる方も多いことでしょう。同学年でも名前も顔もわからないまま、わからないことの確認もできないし、先輩たちに尋ねることもできないのですものね。
新入生の皆さんの不安や質問には今、「学生アドバイザー」の教員が相談対応します。後期、皆さんがキャンパスにおいでになられたら、様々な交流が作られることでしょうけれど、他にも相談できる体制が大学にはいくつもあります。特に、大学レベルの勉強の仕方、どんなふうに文献を読むのか、レポートをまとめるのかといったことには大学院生による「修学アドバイザー」制度があります。図書館の利用や学友とのアクティブラーニングなどのサポートもあります。積極的に使っていただいて、新しい学生生活の軌道に乗っていただければと思っています。

早く、ウィルスの心配がなくなるといいのですけれど、少しのあいだは辛抱しながら、新しい学生生活の工夫も必要ですね。前期も残すところ、半分です。皆さんの学生としての日々が少しでも充実したものとなりますようにと祈っています。
6月3日(木)
先週、通常授業への転換の方針をお伝えし、実際に6月15日には、オンキャンパスで皆さんとお会いできるように準備を重ねてまいりましたが、状況が変わる中、改めてこのようなお知らせをしなければならなくなりました。
 
前期終了まで、全ての授業において遠隔授業継続とさせていただきます。
 
皆さんにはわずか一週間でのこのように変更をお伝えしなければならず、誠に残念で、また申し訳なく思っております。
この判断に至りましたのは、先週の緊急事態宣言解除後、東京では感染者の増加傾向が続き、昨日東京アラートが発令されたことに加え、大学から近い距離にある病院でクラスターが発生したことによります。他のことについては、ある程度は覚悟しておりましたが、本学からわずか1キロほどのところでのクラスター発生は、全く予想しない出来事でした。
閉鎖病棟での院内感染ということで心配は少ないとは思いますが、通学圏の安全・安心を確保出来ていると言いきれないことと、皆さんや保護者の方の心理的な不安材料を生じさせているため、このタイミングで学生の皆さんをキャンパスへと招き、通常授業へ転換することはできないと判断しました。
 
先週も、メッセージを差し上げたばかりでした。
学生の皆さんにとって、この学生時代はかけがえのない時間です。どんなに制限のある中であったとしても、授業ばかりでなく、このキャンパスで先生と出会い、学友と過ごし、語り合うことは、自分自身について、将来について、また生きるということについて、本当にたくさんのことを考え、自分の存在をつくっていく日々であるはずなのです。だから、是非ともキャンパスにお招きしたかったのです。本当に残念で、悔しい思いですが、前期いっぱい遠隔授業を継続することをご理解ください。
 
新型コロナウィルスの静かな脅威は、なかなか去ってくれそうにありません。私たちはどこかでこれと折り合いをつけていかなければならないでしょう。まず、健康を維持していただき、生活のあり方にも注意をして、学生同士、新しいコミュニケーションの方法を用いて、それぞれに交わりを深め、確かめ合って、その時に備えていただければと思います。
5月29日(金)
しばらく、この学長室からのメッセージを送ることができませんでしたね。それでも、大学の新しい方向をお知らせするメッセージは、皆さんに届いていると思います。

今般の新型ウィルス感染の広がりは、私たちの生活を大きく変えてしまっています。大学もまた、遠隔授業によってのみ授業が行われている状況です。こうした対応は、私たちが様々な感染のリスクをさけ、いのちを守るために必要な対応です。
けれども、今のこの遠隔授業では皆さんに伝えられないことがたくさんあります。通常の対面式の授業とキャンパスでの生活の中でこそ、私たちが一緒に生き、学ぶことができるのだと思っています。

学生がこの大学の4年間という限られた時間を、キャンパスで過ごすことには、様々な意味があり、成長の糧があるのです。大学の通信教育を受けているのではありません。社会に出ていくまでの時間は、ただ講義を聞き、授業を履修するだけのものではないはずです。学生であることの特別な時間を、遠隔授業だけで進んでいっていいはずがない。少しでも、皆さんがキャンパスに集まることを可能にしたいと大学は準備をしています。

もちろん、キャンパスにきていただくことになっても、まだまだ制限があるのです。いつものルーテルになることにはきっと時間が必要なのでしょう。でも、だからといって何もしない学生生活になってしまってはいけないと思っています。工夫をして、リスクを避けながらも、新しい始まりを作っていきたいのです。
 
皆さんにお知らせしたように、学園祭は中止となりました。しかし、通常の学園祭はできない、ということで終わって欲しくはないのです。通常の形はできない。それじゃあ、どうしようか。今はそれこそオンラインでいろいろな活動ができるでしょう。何ができるのか、私にもわかりません。でも、学生の皆さんには、そうした新しい可能性を見出して、生み出していって欲しい。自分たちの学生生活をコロナ一色で埋め尽くさないで欲しいのです。

一緒に考えませんか。一緒に新しい何かを作っていきませんか。
そのためにも、工夫と努力を重ねながら、私たちの「今」を生きていきましょう。

 
5月20日(水)
市川一宏前学長のブログ「市川一宏研究室」(http://kichikawa06-08.sakura.ne.jp/blog/)には、本学教員、名誉教授の先生方や卒業生から「希望ある明日に向かって歩むぞメッセージ」が届けられています。それは、この感染症の猛威の中で、ルーテルの卒業生たちが医療や福祉の現場で懸命に働いてくださっている現状が伝えられてきたことを受けて、特設されたメッセージ・コーナーのようなものです。
近況を報告し合いながら、それぞれの働きに感謝し、互いを励ましあい、明日の私たちの社会を切り開いていく歩みを確認するための言葉が重ねられています。
ルーテルの卒業生たちがその働きの責任を負い、また懸命に生きる姿が目に浮かびます。そして学生時代から重ねられていく歩みが今を作り、そして明日につながっていることに心を熱くさせられるのです。
学生の皆さん。私たちが、今、この時に、この特別な経験をしながら取り組んでいることが、必ず私たち自身の、そして私たちの社会の明日を築くのだと思うのです。
今日の一日を、大切に生きたいですね。
5月16日(土)
遠隔授業が始まって一週間が過ぎました。それぞれ1回目の授業を終えたところでしょうか。学生の皆さんの多くはスマホ片手に、鉛筆を走らせるというような状況でしょうか。慣れない状況は身体にも心にも無理がかかります。どうぞ土日は体をリラックスさせてくださいね。
皆さんが、それぞれにこの一週間取り組んだことは、尊いあなたの時間です。すべてのことが明日のあなたのために大切な時間なのだと思います。
でも、苦しいことや悲しいこともあるかもしれません。ひとりで抱えられないことは、どうぞ、誰かに助けを求めてくださいね。大学にも相談のための窓口はあります。
あなたは、決して一人ではありません。
5月14日(木)
遠隔授業が始まりました。皆さんうまくいっていますか。
ポータルもzoomもなんとなく使い方がわかってきても、思わぬことに出会いますね。私も先ほどある会議に参加しようとしたのですが、音声も届かず、画像も見えずと、ついに諦めざるを得ない事態になりました。参加が許可されているのに、どうしてもうまくいかない。焦ってみても、ダメな時ってありますね。
そんなことはあって欲しくはないのですが、実際には同じような経験をされている方があるのではないでしょうか。不安を抱え、心配になられることもあると思います。
どうぞ何かあればまず担当の教員に事情を伝えてくださいね。学校宛にも相談を寄せる窓口があるのです。それがうまく見つからなくて、なんだかイライラ、ドキドキ。
もう一度、お伝えしますね。
 
PC の方
https://www.luther.ac.jp/cypochi/form/pc/unit1000055.html
スマートフォンの方
https://www.luther.ac.jp/cypochi/form/sp/unit1000055.html
 
 
5月8日(金)
今は夜の10時過ぎ。先ほどまで、大学院の授業でした。偶然ですが、私の授業が、学院の今年度最初の授業となりました。zoomを用いて5名の院生と同時双方向での授業。初めての取り組みですから、緊張感もありましたが、無事に2コマの授業を終えることができました。離れていても、それぞれの自己紹介も含めてお互いに考えたことや思ったことを分かち合うこともできたのは、大変嬉しく思いました。
福祉の働く現場を持つ方たちと臨床心理の働きを目指す院生との一緒の授業ですけれど、今のウィルス感染の恐れの中、本当にいろいろな現実に出会っていらっしゃる様子を伺うことができました。その中で、私たち自身がどのように支援者たり得るか。日々格闘していらっしゃる姿にこそ、研究と学びの源泉があることを実感いたしました。
いよいよ、学部も神学校も授業が始まりますね。これからの世界のために、自分もまた他者と共に生きていくために、それぞれに与えられたルーテルでの学びの一つひとつを大切にしていきたいですね。
 

5月4日(月)
緊急事態宣言の延長が決まりましたね。この状況から必要なことと分かってはいても、いつまでかと重い気持ちにもなります。閉じこもり、内向きになりがちな生活を少し整えたいですよね。
かつて、私の担当していたある授業では、毎年この前期の授業の最初に百名の受講生に課題を出していました。日常生活の中で“いのち”について感じたり、考えたりしたモノ(新聞記事やネットニュースでも)を写メしてくださいというものです。そして、なぜ、どうして、どのようにそのモノがあなたにいのちを感じさせたのか、短い説明をつけて提出してもらうものでした。燃える緑、家族の顔、一匹の虫、夕暮れの街並み、病院、飼っているペット、難民キャンプ、食事の風景、レッドリストに載る動植物などなど、様々なものが送られてきました。
世界はいのちに満ちています。そして、そのありようも様々。皆さんだったら、何を写メしてくださいますか。
4月30日(木)
河瀬直美監督、樹木希林主演の映画『あん』。その最後の場面で、樹木希林の演じる主人公徳江が遺した言葉が流れます。ハンセン病を理由に社会の外へと追い出され、自由を奪われた彼女のことば。いったい、それでも生きるのには、どんな意味があるのかと問う者に、答えるように、何気ないことばが語られています。「私たちはこの世を見るために、聞くために生まれて来た」というのです。ただそれだけで、たとえ「何かになれなくても、私たちには生きる意味がある」と語ります。
現実の壁に塞がれて、自分の限界を知らされて、私たちはくずれ折れる時があるかもしれない。何者でもない、ちっぽけな自分を思わされる時があるのです。
それでも、一人ひとりがこの世界にいのちが与えられました。そして、何かを見て、聞いて、触って、共にいて、感じる。でも、それだけで、そこに私たちの生きる意味がある。世界は、存在しているだけでは何も無いのと同じです。皆がそれぞれにたった一つの自分を生きて、そうして世界を味わう。だからこそ、世界は、その味わわれた意味を受け取って豊かになるのです。一粒一粒の小豆を大切に炊いていくことで、美味しい餡が生まれるように、一つ一つの出来事をその一人を大切に愛しみ味わうことで、世界は世界として豊かに変化する。
厳しい現実が立ちはだかっているように見える今、世界を味わい、豊かな世界をつくることのできる、「あなた」自身であることを大切にしてくださいね。
 
4月28日(火)
いよいよ大型連休が始まります。とはいえ、なんだか実感がありませんね。
健康と命を守り、安全安心のために、Stay home!
でも、みなが皆、安全安心のhomeがあるわけでもない現実を思わされるし、今この時に行き場を無くしている人たちが大勢います。「不要不急」っていう言葉に、私たちの心の奥の大切なものも、いつの間にか何処かに追いやられてしまいそうです。
外出は控えなければいけないけれど、どうか、硬くなった心も体もときほぐしていただければと思います。
4月24日(金)
新緑がみるみる広がり、様々な草花が季節を彩って、自然のいのちの力強さを思う日々です。いかがお過ごしでしょうか。
さて、かねてより本学の2020年度の授業開始については、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、連休明けの5月11日(大学院は8日夜)を予定していることをお伝えしてきました。しかしながら、今般の状況を鑑みる時、この連休明けに学生の皆さんに大学キャンパス内に集まっていただいて授業を行うことは難しいと判断し、5月11日から当面の間、授業は全て遠隔授業をもってお受けいただくことといたしました。
すでに、学生の皆さんのネット環境についてはお知らせをいただいてきましたが、必ずしも全ての学生がこの遠隔授業をお受けいただくのに十分な状況にはないということも承知しています。それでも、ほとんどの皆さんがお持ちになっているスマートフォンを用いてでも、授業を受け取っていただけるように大学も急遽準備を進めています。皆さんには、追ってそのために大学からできる支援と授業の受け取り方などをお知らせいたします。それぞれに、どうぞご準備をお願いしたいと思います。
今は、日本ばかりでなく世界中でこの新型ウィルスのもたらす状況の中で生活をし、また社会の様々な働きが試されているといって良いような状況です。とりわけこの病に向かい合っている医療現場のことは日々報道されることですけれど、実際には報道されなくても、どこにおいても様々に感染の危険と隣り合わせの中で働き、社会を守り、生きるための努力が重ねられていることです。感染すれば、隔離され、触れ合うことも語り合うことも困難になります。そして、重症化すればいのちも危険にさらされる。若い人たちは重症化しにくいという話もありますが、一人ひとりの状況は皆異なりますから、自分が感染している可能性も、自分が感染を広げる可能性も潜んでいて、危険と隣り合わせの緊張が強いられているのです。皆さんご自身が、この見えないウィルスとの向かい合う、そうした不安や恐れを感じていることでしょう。そのような中で、改めて私たちはどんなふうにお互いを助け合い、支え合い、共に生きる社会を作り上げていかれるのかと問われているように思います。
そのような現実の中、そのような状況だからこそ、本学の持つ「いのちと尊厳を守り、共に生きる社会を実現する人材、そして、福祉や心理の専門職を養成する」使命は大切なのだと思います。学生の皆さんには大いに学んでいただきたいのです。
感染のことに一定の収束が見られたと判断できましたら、キャンパスにお集まりいただき、通常の授業を進めていきましょう。その時を楽しみにしています。
皆さんは、学校からの諸連絡に必ず目を通して、大学の新年度の始まりに備えてくださいますように重ねてお願いします。



4月20日(月)
大学は5月の連休明けに授業を開始する準備をしています。しかし、もしかすると現在の状況から考えて、連休明けになっても大学キャンパスに皆さんにおいでいただくということには、無理があるかもしれません。もしもの時には、ネットを通した遠隔授業をもって前期を始めるということも考えています。初めての事態ですし、急な対応ということで不安もありますけれど、キャンパスに集まることが出来なくても、なんとしても学生の皆さんに授業をお伝えする。先生方に、諸々のご準備をお願いしているところです。学生の皆さんもいよいよ履修登録が始まりますね。新しい年度の始まりに備えて、学生としての学びと生活も整えて行きましょう。


4月16日(木)
熊本地震から4年が経ちました。最初の余震は2016年の4月14日、そして本震が16日の未明でした。熊本は、ルーテル学院が1909年に最初に教育をスタートさせた地。そして、ルーテル関係の大学や中学・高校、そして社会福祉の施設が多くある場所です。あの震災は大きな被害をもたらしましたが、当初からルーテルの関連施設や教会では地域の人々への支援、寄り添いを行ってきたのです。自ら被災者でありつつ、いや、そうであるからこそ互いの痛みや苦しさ、不安や恐れを分かち合い助け合う姿がありました。本学からも支援を送ることや、ボランティアに出かける学生がありました。常時備えること、そしていつでも他者へと手を伸ばせるものでありたいと、そう思います。

4月14日(火)
今回のウィルス感染では「隔離」は絶対です。疑いが生まれた時から、医療関係者も家族も、その方から距離を取らなければなりません。話すことも触れることもできないという現実を、本人も周囲の者も経験するのです。対人援助において学ぶ「寄り添うこと」とは何か。私たちが生きることにおける「孤独であること」、「共に生きること」を、改めて深く考えさせられることでもあります。目の前の現実にもかかわらず、私たちが受け取ることのできる「愛」がある。そうした「魂」の次元、スピリチュアリティについても考えてみたいのです。
4月12日(日)
学生の皆さん。
学校が始まらないのでサークルや学生会の活動などもできませんね。自粛要請も出ていて、なかなか思うように友人と会うこともできず、なんだか心が晴れない日をおくられていることでしょう。今は、S N Sなどを使えば、どんなに遠く離れていても、すぐに連絡をとることもできるし、会話だって楽しむことができます。とは言え、改めて「逢う」ということのかけがえのなさを思いませんか。身体の動き、顔色や声の調子、体温や息遣い。言葉以外の交流(コミュニケーション)が、日常の中で、私たちの「存在」の確かさを互いに受け取っていく大事なものであることに気づかされます。望ましいものではありませんが、得難い体験をしているこの時間の中で、「人間」とは「自分」とは何か、考えてみたいのです。

4月10日(金)
日本はじめ世界中で感染拡大と医療崩壊の危機が叫ばれている中、感染の始まった中国武漢の仮設病院で治療を受けてきた人々が全員退院したことが新聞記事に。いのちを守るその現場は、どれほど過酷であったろうかと思います。その場所で「泣いても意味がないと言われても、泣きたい時は泣こう」と掲げられていたこと、院長が特に心のケアを重要としていたことが紹介されていました。現実は、様々なケアが人々のニーズに追いつかない厳しさであったことでしょう。それでも、そういう現場を、患者を、医療従事者を支えたいという思いがあったことを覚えておきたいのです。日本で、世界で、私たちは皆、これから立ち向かわなければならないのだと思います。自分はどう生きるのか、何を大切するのか、問われている気がするのです。
4月8日(水)
今、病院や福祉施設では、感染拡大の危険と隣り合わせです。もしものことがあれば、施設の継続的な働きはできなくなります。利用者のいのちも生活も家族も、守ることができなきなくなりかねません。なるべく危険を抑えるために、家族や知人、友人との接触を避けるようにとせざるを得ないのです。でも、明日が分からぬいのちを前に、このひとときを、このつながりをうばいとることを果たしてできるのか。そんな葛藤を現場の職員が一番身近にあって、感じていらっしゃいます。この現場を、働きを、そして一人ひとりをどう支えるのか。何も力になれないかも知れないけれど、共にその苦悩に心を止めたいと思うのです。どんなに尽くしても届かぬことがある。そんな現実を抱きかかえつつ、最後は全てを委ね、ゆるしをいただき、「それでも」とまた新しく立ち上がる。それが私たちの日々のあゆみです。今、最前線に立っている人々のために祈りたいのです。
4月6日(月)
大学は、出来る限り教職員の働き方についても注意を喚起し、学生を迎えることに支障がないように備えています。学生の皆さんに構内立ち入りを制限しているだけでなく、窓口業務のあり方についても、その時々に体制を整えてまいります。学生・保護者の皆さんにもご理解とご協力をお願いしなければなりません。その都度お知らせをしてまいりますから、どうぞよろしくお願いします。
4月4日(土)
多くの卒業生が、社会福祉の現場、また心のケアをする現場で働いています。ウィルスの感染拡大が続いている中、各施設でもまた在宅者の支援においても危険と隣り合わせであることを受け止め、注意を怠らず、しかし日々必要なケアを届け、共に生きていくために働いてくださっているのです。先日、ニューヨーク、マンハッタンの医療施設で働く卒業生からの報告に接することがありました。自らの感染も覚悟する過酷な現実の中、神様に用いられるということを、目の前のいのちを支えるその一つひとつの働きそのものの中に生きて、感じていらっしゃることが伝わるメールの内容でした。心揺さぶられる思いがしました。そうして働いていらっしゃる方々に、ただただ感謝を伝えたいのです。そして、どうか休息も大切にしていただきたい。自分のため、家族のための時間を持ってくださいとお願いしたいと思いました。大学は今年度をまだ始められないでいます。けれど、後に続く対人援助の専門職、人のいのちと尊厳を守り、共に生きる社会をつくっていく人たちを育て、送り出したいと心に思いました。
4月2日(木)
新年度を迎えました。
しかし、キャンパスに学生の姿がありません。新型コロナウィルスの感染拡大への対策として、大学も始業を5月の連休明けを予定したためです。構内の立ち入りも制限をしているので、見事に咲いたソメイヨシノも見られることもなく散り始めています。学生の皆さんも、それぞれに年度の学びや実習がどうなるのかと心配してらっしゃることでしょう。それでも、今は、何よりも自分たちが感染しないこと、そして感染を広げないことが大切です。それぞれが、健康と安全を第一にしていただきたいのです。大学は、連休明けに授業を始められるように、準備をしています。どうぞ、皆さんもそれぞれにこれまでの学びを振り返り、新年度に備えていただければと思います。

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