学長メッセージ

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あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、
神のさまざまな恵みの善い管理者として、
その賜物を生かして互いに仕えなさい。

(新約聖書 ペトロ第一 4章10節)
私たち人間は、一人ひとり違った賜物をいただいています。そして、その賜物は自分だけのためのものではなく、互いにその恵みを分かち合い、支え合って生きるようにと命が与えられているのです。

この二年間、世界中が新型ウイルスの脅威に晒されてきました。病院でも施設でも、あるいは家族の間でも、今までのように訪問することができず、気軽に顔と顔を合わせることも、声をかけることも、手をとってそのひと時を確認することも困難な状況が続いてきています。命をまもるはずの行動が、それぞれのかけがえのない「いのち」を支え合い、喜び合う大切なものを窮屈にしてきたようにも思えるのです。

それでも、医療、福祉の現場では誰一人も見捨てることはありません。医師も看護師も、ソーシャルワーカーも介護士も、カウンセラーも目の前の一人を大切にして、かけがえのないいのちの営みを紡いでいくために、働いています。多くの卒業生たちが、その現場で誰かを支えている、その様子が伝えられてきているのです。

どんなに困難な状況の中であっても、自分を知り、相手のニーズを理解して、助け合い、支え合う。そうして、「いのちと尊厳を守り」「共に生きる」を実現するための、知識も技術もその思いも、一人ひとりに与えられている賜物に磨きをかけることで育まれるのです。

ルーテル学院大学は、そうした学生一人ひとりの「誰かの役に立ちたい」その“想い”をカタチにするために、それぞれの学びの可能性を支えていく大学でありたいと願っています。


ルーテル学院大学 学長
石居 基夫
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