資料探しの手順

  • 図書検索の方法
  • 論文検索の方法

図書検索の方法

1. はじめに

本を探したい時は、すでに読みたい本のタイトルが分かっている場合と、読みたい内容は決まっているけど、具体的なタイトルは決まっていない場合がありますが、今回は後者の読みたい内容から検索する方法を紹介します。検索のコツや方法はタイトルが分かっている場合にも使えますので、どちらの場合も最後までお付き合いください。

2. キーワードを探す

本の検索をするときは、キーワード検索が基本です。そのため、まずは探している本の内容から、キーワードを設定しましょう。例えば、「ひきこもりについて読みたい」という場合を考えてみましょう。この場合、キーワードは「ひきこもり」ということになりますが、これだけでは膨大な量の本が該当するため、キーワードとしては不十分です。もう少し具体的にどのような本が読みたいのかを考える必要があります。ひきこもりの当事者についてなのか、当事者は大人か子どもか、ひきこもり支援についてなのか、復帰した人の体験談なのかなど、読みたい内容が具体的になるほど、さらにキーワードが増えて行きます。また、一度検索してみて見つかった書籍のタイトルから新しいキーワードを見つけたり、連想ゲームのようにキーワードを設定していくことも有効です。(例:子どものひきこもり→不登校)

3. OPACの使い方

図書館の本の検索はOPACで!とはよく聞きますが、OPACって何なんでしょう。正式名称はOnline Public Access Catalogと言いますが、簡単に言うと、その図書館にある資料をオンラインで検索できるシステムのことです。つまり、ルーテルの図書館のOPACからはルーテルにある資料しか検索できないため、世の中には存在していても、ルーテルになければ当然見つかりません。また、OPACはGoogleやYahoo!などの検索エンジンと違い、登録されている言葉そのものしか検索できません。本のタイトルを全部入力して検索しても、漢字やカタカナの変換や、てにをはなど、一文字でも間違っていると上手く見つけることができません。なので、OPACを検索するときは、なるべく短いキーワードを利用した検索方法が基本となっています。

4. もっと広く本を探す

ルーテルにある本の中から探す場合は、ルーテルのOPACの検索で十分ですが、ルーテルの所蔵では欲しい資料が見つからない場合や、ルーテルに限らず世の中にどのような資料があるかを検索したい場合には、ルーテルOPAC以外の方法で検索する必要があります。学術書の場合は、CiNii Research(国内大学の所蔵資料を一括して検索できる)、小説や一般書はカーリル(全国の公共図書館の所蔵資料を一括して検索できる)、あるいは国立国会図書館サーチ(国会図書館は納本制度があるため、国内出版物は必ず所蔵されています)などがおススメです。

5. ルーテルの図書館になかったら

ルーテルに無い本を読みたい場合は、所蔵している図書館から取寄せるか、ルーテルの図書館が発行した紹介状を持って実際に所蔵している図書館まで足を運んで閲覧する方法の2つの方法があります。いずれの場合も、先方の図書館とルーテルの図書館で申込のやり取りが必要になるため、資料の閲覧には2週間程度時間が必要になります。また、ルーテルの図書館に資料を取り寄せる場合は、往復の送料が数千円程度かかるほか、資料の閲覧はルーテルの図書館内のみに限定されます。

論文検索の方法

論文入手までの流れ

論文入手までの流れPC
論文入手までの流れSP

1. はじめに

論文の検索は、図書館の利用方法の中でも1番難しいです。そこで、このページでは、論文の検索手順と入手の方法まで、順を追って読みながら進められるように努めて書いてあります。このページを見ながら進めていけば必ず読みたい論文にたどり着けるようになっていますので、安心してついてきてください。

2. 論文とは

検索を始める前にまず、論文とはどういったものかをおさらいしておきましょう。たまに、図書館のカウンターで「○○についての論文はどこにありますか?」と質問を受けますが、図書と違ってこの質問には実は答えられません。というのも、論文というのは図書とまったく違った性質を持っているからなのです。論文は、図書のように一冊の本として出版されるのではなく、雑誌としてその他の論文とまとめて掲載されます。一般的なマンガ雑誌を想像すると分かりやすいと思います。マンガ雑誌も、様々な連載や読み切りマンガが毎月や毎週の一定の期間で刊行されますよね。論文が掲載されている学術雑誌も同様の仕組みです。そこで、最初の質問をマンガ雑誌に置換えて見ると、「こんな感じの話のマンガってどこにありますか?」というような質問になります。数十年レベルのマンガ雑誌のバックナンバーを前にして、そもそも探している内容のマンガが本当にあったかどうかすら見極めるのは難しいですし、それが何年の何月号に掲載されていたかは到底たどり着けないことが分かるでしょう。論文も全く同じです。なので、まずはそのような内容のものが、「あるかどうか」を調べることが、論文検索の第一歩となります。あるかどうか、どこに掲載されているのか、が分かって初めて、実際に読む方法=入手方法を探すことができます。幸い論文には、どの号に何が掲載されていたのかをまとめたデータベースがたくさんありますので、パソコンで簡単に調べることができます。しかし、検索が中々上手くいかず、探しているものが見つからなくて図書館に相談したり、入手方法によっては入手に時間がかかったりなど、一筋縄ではいかないこともたくさんあります。むしろ、一筋縄でいかない方が普通です。レポートや卒論執筆などで論文を探している場合は、必ず時間に余裕を持って、早め早めの準備を心がけましょう。

3. キーワードを探す

検索を始める前に、まずは「何を調べたいのか」を明確にしましょう。情報検索では、文章ではなくキーワードで検索を行います。そのため、検索を上手く進められるかどうかは、キーワードを上手く見つけられるかがカギとなります。自分が調べようとしていることは何なのか、まずはしっかり考えることが大切です。調べたいことが明確になったら、次はいよいよキーワードを探します。基本的には、調べたいことから、単語をキーワードとして抜き出すと良いでしょう。ここで見つけたキーワードから、さらに連想ゲームのように言葉の言い換えやカタカナ語・熟語の変更など、予備のキーワードとして広げておくことも大切です。
例:「子どもの引きこもりについて」調べたい。キーワードを「子ども」、「引きこもり」にすると、検索結果がたくさんヒットしすぎる。ので、子どもの引きこもりについて、何が知りたいのかをキーワードに追加する必要がありそう。例えば、支援や対策、家族、学校、復帰、解消などが追加のキーワードとして考えられる。あるいは、「子どもの引きこもり」から「不登校」や「登校拒否」などを予備のキーワードとすることができそうです。

4. データベースを検索

キーワードが見つかったら、早速検索をしてみましょう。検索は絶対に一度では終わりません。キーワードを変えたり、組み合わせを変更したりして何度も試してみましょう。検索結果に出てきた論文タイトルから、新たなキーワードを見つけるのも良いでしょう。検索に便利なWebサイトやデータベースは、「データベース・新聞一覧」や「情報検索に役立つリンク集」を参考にしましょう。迷ったらとりあえずCiNii Researchで検索してみてください。

5. 読みたい論文が見つかったら

読みたい論文が見つかったら、「書誌事項」をメモしましょう。書誌事項は、論文の「タイトル」「著者」「掲載雑誌のタイトル」「巻号」「ページ数」「出版年」などのことを指します。論文がどの雑誌の何巻・何号・何ページに掲載されているかを示す、いわば論文の住所と言える情報です。見つけた論文をレポートや卒論で引用したり、参考にしたりする場合には、レポート・卒論の最後に参考文献として論文の書誌事項をまとめる必要があります。どの論文を引用したのか、後から分からなくならないようにするためにも、メモをとる習慣を付けましょう。

6. 入手方法を検討

書誌事項を基に、論文の入手方法を検討しましょう。論文を読む方法には、①オンラインで読む、②紙媒体で読む、の2つの方法があります。

1. オンラインで読む場合


検索したデータベースには、インターネット上で全文のデータが公開されている場合に、公開しているWebページのリンクが公開されている場合や、DOIと呼ばれるアドレスが明記されている場合があります。その場合は、無料または有料ですぐに本文を入手することが可能です。多くの場合、PDFでダウンロードすることができます。オープンアクセス、フリーアクセス、機関リポジトリなどの場合は無料で入手することが可能です。また、「7.ルーテルの所蔵を検索」で説明しているように、本学で契約しているデータベースで、全文公開されている場合も、無料で入手することが可能です。

2. 紙媒体で読む場合


雑誌によっては、電子化をしていないためオンラインで読む選択肢がない場合も多くあります(特に日本の論文は多い)。その場合は、掲載雑誌の現物を探す必要があるため、すぐに本文を読むことはできません。次の「ルーテルの所蔵を検索」の「雑誌検索」へと読み進めてください。

7. ルーテルの所蔵を検索

インターネット上で論文の入手が難しい場合は、ルーテルの図書館の所蔵を検索しましょう。ルーテルの所蔵には、①契約データベース、②紙媒体の雑誌、2種類があります。


1. 契約データベース



ルーテルで契約しているデータベースはいくつかありますが、全文取得が可能なデータベースは、外国語論文だとEBSCOhost、日本語論文だとメディカルオンラインがあります。各データベースの詳しい説明は、こちらのページをご覧ください。この2つのデータベースは学外からも利用が可能です。ポータルよりお知らせしたID/PWを利用してアクセスしてください。メディカルオンラインは、学外利用からは全文入手ができません。全文入手したい場合は、図書館にてお渡ししますので図書館までご連絡ください。
さて、ここまでの検索で論文の入手方法が見つかれば、自宅ですぐに論文を読むことができます。

2. 紙媒体の雑誌



契約データベースにない場合は、図書館の紙媒体の雑誌を検索します。探している論文のメモを参照し、「雑誌タイトル」でOPACを検索します。検索結果に探している雑誌タイトルがある場合は、「所蔵巻号年次」の中に探している論文が掲載されている巻号があるかどうかを確認します。検索の結果、雑誌タイトルがヒットしない場合や所蔵巻号年次に探している巻号が無い場合は、残念ながらルーテルに所蔵がありません。次の手順に進み、外部からの論文入手の方法を検討しましょう。

図書館になかったら…

インターネット上にも、ルーテルの所蔵にも、探している論文の入手方法が無い場合は、学外からコピーの取り寄せをすることができます。時間とお金が少しかかりますが(2週間程度、数百円~千円程度)、国内の他大学図書館が所蔵していた場合は、論文のコピーを取り寄せできる場合があります。また、コピーの取り寄せが難しい場合は、資料の現物を取り寄せたり、資料を所蔵している大学図書館へ行き、資料を閲覧することも可能です。どの方法が最適なのか、図書館司書が相談にのったり、よりよい方法を提案したりできますので、お気軽に図書館にご相談ください。ただし、いずれの場合も時間に余裕を持ってご相談ください。基本的に、明日までに入手したい、は不可能です。早め早めの準備を心がけましょう。